【保存版】デジタルデバイド原因マップ
~デジタルスキル習得過程に潜む14の原因(シニア編)~
こんにちは。研究所員の豊田です。
シニア世代にスマートフォンの操作やアプリ、デジタルサービスの使い方を伝える時、『丁寧に教えたつもりなのに、なぜうまく伝わらないのだろう?』と思ってしまうことはありませんか?
他にも自分自身が『新しいデバイスやサービスに不慣れになってしまった』と感じる人、アプリやウェブサービスを提供している企業人で、自社サービスがシニア世代に普及せず困っている方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、そういったデジタルデバイド(情報格差)を生み出す原因を取りまとめた、デジタルわかる化研究所のオリジナル資料『デジタルデバイド原因マップ』についてご紹介させて頂きます。
デジタルデバイドとは?
デジタルデバイドは一般的に『インターネットやスマートフォンのような情報通信技術を使える人と使えない人の間に生まれる格差』と定義されています。
※格差のスケールは『個人間』『地域間』『国家間』と3つのレベルがありますが、本資料ではあくまで身近な話として『個人間』格差をテーマにしております。
人によって必要な技術は異なりますが、適したデジタルデバイス・サービスを活用できれば『時短』『家計改善』『自己成長』など、あらゆる面で恩恵を受けることができます。
その恩恵が大きい分、技術進歩に追いつけない人が増加すると、新たな社会問題に発展する可能性があります。そのため、日本政府は『誰一人取り残さないデジタル社会の実現』というミッションを掲げて様々な政策に取り組んでいる状況です。
デジタルデバイド
原因マップについて
デジタルデバイド問題に関心を持つ人、向き合う人が、その原因を俯瞰してみるための資料です。シニア世代がデジタルスキルを習得する過程を4ステップに分けて原因を洗い出しています。
具体的には、デジタルに関わる『❶きっかけ』、学ぶに至る前の『❷動機の形成』、習得に向けた『❸スキルの学習』、そして学習が終わった後の日常生活における『❹スキルの定着』の4ステップに分けて表現をしております。
14の原因は、研究所が過去の取材や調査で得た情報を元に議論を重ね、重要な原因を抽出したものですが、社会情勢や技術の進化に伴って原因は変化していくと思いますので、必要に応じてアップデートをしていければと考えています。
実際の資料を見て頂けた方がわかりやすいかと思いますので、PDFをダウンロードください。
デジタルデバイド原因マップPDF
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なぜ作ったのか?
デジタルデバイド問題の原因や対応策について、どんなものがあるかご質問頂く機会が多くありました。
一方で、研究所としてわかりやすく回答する難しさを感じており、どんな人でも理解しやすい資料が必要だと考えました。
もちろん、100%正しい解釈は難しいですが、デジタルデバイドに関心がある生活者や解消に向けて取り組んでいる企業人と、この資料を一緒に見ながら議論していきたいと思っています。
14の原因を詳しく見ていく
資料の補足として、各原因を説明させて頂きます。
Chance(きっかけ)
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緊急性がない
- 『学ばざるをえない状況』が意図せずデジタルスキルを習得するきっかけになることがあります。一番わかりやすいのは、コロナ禍における外出自粛で、人々が仕事を進めるべくテレワークに順応したことです。
逆に緊急性がない場合、推奨されたとしても優先度を上げることは難しいかと思います。正直、『今は必要ない』と思ってしまうのです。
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参加コミュニティの減少
- 人との関わりが少なくなると、必然的に自分の知らない情報に触れる機会が減り、デジタルデバイドに繋がります。
学生であれば学校、習い事、サークル、社会人であれば会社や取引先など様々なコミュニティに属して、人と関わる機会が多いですが、シニア世代は多くの場合、定年退職すると参加するコミュニティは減少していきます。
もちろん、アクティブであれば趣味活動も活発に行っているとは思いますが、新しい情報・トレンドに敏感な世代との交流はどうしても希薄になってしまいます。
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デジタルを知る機会がない
- 住んでいる地域によっては、都心部と比べて利用できるデジタルサービスが圧倒的に少ないことがあります。その場合、デジタルを知る機会は減少します。
UberEatsの対応エリア外であったり、商店街でキャッシュレス対応のお店が少なかったり、通販の配達に追加料金がかかってしまったり、デジタルサービスに触れにくい環境下ですとそもそも使ってみたいと思うこともできません。
地域とは別に、家庭環境も格差を生み出す原因になります。インターネット環境が整備されていない家庭や、経済的にデジタルデバイスを購入できない場合、知る機会が生まれない可能性が高いです。
Motivate(動機の形成)
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身近な利用者不足
- テレビCMやニュースで良く耳にするようになり、名前は知っていても、普段会う人たちが利用していなければ使ってみようという気持ちにはなりにくいものです。
現金派の有人が多ければ、自身のキャッシュレス活用機会も減少します。『身近な人のデジタル利用状況』はモチベーションに大きく関わります。
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安心安全の欠如
- 昨今ニュースでは『個人情報の漏洩』や『インターネット詐欺』など、デジタルのリスクを報道する事が度々あるかと思います。こういった情報が、漠然としたデジタルへの『不安感』に繋がり、学ぶことや挑戦の妨げになってしまいます。特にオンライン決済に関する不安の声は多いです。
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利便性への理解共感不足
- 世代や生活スタイル、価値観の違いによってはデジタルの利便性に対する理解や共感が得られにくいケースがあります。
例えば電子書籍を好む人が、紙の質感や読みやすさを好んでいる人に利便性を伝えたとしても、共感は得にくいかと思います。
デジタルの利便性を伝えるシーンでは、相手の生活や価値観にマッチしたものかどうか、理解してもらえるように伝えられるかを考える必要があります。
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デジタル利用の強制
- 人は物事を強制されると、やる気をなくしてしまいます。『自身の行動や選択を自分で決めたい』という人間本来の欲求が犯されると、無意識的に抵抗しようしてしまいます。
孫に『LINEでビデオ通話したいな』と言われるのと、家族に『いい加減LINEできるようになってよ』と言われるのでは、当たり前ですが大きな差がありますよね。小さい事でも強制が重なってしまうとデジタルそのものに対する嫌悪感・抵抗感増加に繋がる可能性があるので注意が必要です。
Study(スキルの学習)
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家族の反対
- 心身の衰えが顕著にみえ始める年齢になると、スマホやデジタルサービスの利用を同居する家族から反対(制限)されるケースもあるようです。特に、過去『通販で誤って多額の買い物をしてしまう』『インターネット詐欺被害に遭う』など、家族を不安にさせてしまうエピソードがあると、デジタルを使用すること自体、反対されてしまう場合があります。
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モチベーションの提供不足
- いざデジタルスキルを勉強し始めても、使えるようになる前に挫折してしまう人もいます。内容自体が難しくて挫折してしまうケースもありますが、『一緒に学ぶ仲間がいるかどうか』『身近な人が成功体験をしているか』もモチベーションに大きく影響しているようです。
スマホ教室においては、気の合う友人ができた人は継続的に別の講座を受ける事が多いという話もあります。また、身近な人の生活が豊かになっていることがうかがえれば、自分も頑張ろうと思いますよね。
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シニアへの配慮不足
- 『聞きなれない言葉』や『操作性の難しさ』がデジタルスキルを学ぶ上で障壁となる場合があります。
『アプリ』や『インストール』など、いわゆるパソコン・スマホ用語は、慣れた世代であれば当たり前に理解できる言葉かもしれませんが、こういったカタカナや英語が多く含まれた教材や説明を受けると、デジタルへの苦手意識が高まってしまいます。
言葉だけでなく、操作画面の文字が小さいことや、サイト・アプリの構造が複雑なことも原因となり得ます。
Skilled(スキルの定着)
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スキルの活用機会不足
- 1度学んだことも、日常生活で慣れるまで活用しないとすぐに忘れてしまいます。
例えばキャッシュレス決済の設定が完了して、一通り使い方を学んだとしても、行きつけのスーパーがキャッシュレス非対応だと、学んだことを活かしきれません。学んだ後、いかに早く活用体験、便利だと感じる体験を積み重ねられるかが重要になります。
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サポートする家族への支援不足
- シニア世代が頼れる、最も身近な支援者は家族です。日常生活において、わからないことを気軽に相談できる相手はとても重要になります。
一方で、家族は教えるプロではありません。相手がどの範囲まで理解しているのか把握すること、わかりやすく伝えることはとても難しく、教え方に悩む人、面倒に感じてしまう人は少なくありません。サポートする家族に対しての支援も重要な対応策になります。
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サポートしてくれる人が身近にいない
- 独居の場合、夫婦世帯だったとしてもパートナーのデジタルリテラシーが同程度な場合、参加しているコミュニティがそもそも少なくデジタルを活用している知人が少ない場合は、日常的に相談できる人が身近におらず、スキルの定着は困難な環境にあるといえます。
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応用の効かない指導方法
- デジタルの進化スピードは非常に速く、アプリやウェブサービスのデザイン・仕様は頻繁にアップデートされます。マニュアル的に操作方法を暗記させる指導方法だと、デザインや仕様が少し変わった途端に使い方がわからなくなってしまう可能性があります。
資料のダウンロードについて
こちらからダウンロード頂けます。
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